『air museum』後藤 結美子さんをお迎えしました♪
『air museum(エア・ミュージアム)』
このコーナーは毎月最終水曜日(16時30分頃~)に、
左京区岡崎にある「京都市京セラ美術館」で開催される展覧会や様々なイベント
そして「京都市京セラ美術館」の魅力をたっぷりとご紹介します!
(※日本庭園でも紅葉が見頃です!)
今日は・・・京都市京セラ美術館 学芸課 担当係長の後藤 結美子さんをお迎えしました!!
後藤さんは、美術館に勤めて、なんと・・・20年!!
元々は西洋美術史を専攻していらっしゃいましたが、美術館に勤め始めてからは京都の近代美術について文章を書いたり、展覧会の企画なども担当していらっしゃいます。
そこで、今回は京都市京セラ美術館で現在開催されている展覧会
『京都の美術 250年の夢」第1部~第3部 総集編 ~江戸から現代へ~ 後期』
について詳しくお話ししていただきました!
こちらは、11月から公開がスタートで12月6日をもって終了となります(※お早めに!!)
この展覧会は、明治維新から100年前の江戸後期、現代にかけて、日本画の代表作家を中心に、同じ時代に活躍した工芸家や書家、明治期に登場した洋画家・彫刻家・版画家、さらには戦後の現代美術の新鋭作家を加えて、「京都の美術」の250年の歴史を彩った名品が紹介されています。
そこで、後藤さんから『見逃したら後悔する!』そんなポイントもお話ししていただきました!
●長沢芦雪(ながさわろせつ)《龍虎図襖(りゅうこずふすま)》
写生に重きを置いた円山応挙の弟子の一人でありながら、大胆で奇抜な構図や表現で奇想の画家と呼ばれる芦雪。
その芦雪が、師から抜擢され、師の代わりに南紀に滞在して多くの絵を残し、和歌山・串本の無量寺に描いた襖絵の一つが《龍虎図》で、芦雪の代表作!
虎は、襖三面にはみ出すように描かれ、こちらに飛び出てきそうな迫力!
しかし、猫のような愛嬌のある顔とそろえた前足が何とも言えないかわいらしさを伴ってもいます。
また、龍も巨大な鉤爪(かぎつめ)をもった前足やとげの様に鋭く尖る鱗は、龍の恐ろしさや迫力を伝えています!顔はどこか笑っているようにも見え、こちらも愛嬌があります。
●福田平八郎(ふくだへいはちろう)《漣(さざなみ)》
光に反射する水面の揺らめきを切り取って、画面に捉えた作品。
釣り好きの画家が、湖面を眺めていると、微風で波打つ水面の美しい動きに気付き、様々な水の表現の研究を重ねた結果、完成した作品です!
一見、抽象画のように見える斬新な日本画ですが、数少ない近代絵画の重要文化財に指定されました。
そして今回展示されている作品の中で後藤さんがイチオシ・特に好きな作品は・・・?
●田中利七(たなかりしち)《刺繍孔雀図屏風(ししゅうくじゃくずびょうぶ)》
幕末より主にイギリスへの刺繍貿易で成功した京都の刺繍作家・田中利七。
出品作は、刺繍で表された孔雀2羽をあしらった四曲屏風です。
実物を見ると…孔雀は、立体感を伴って本物の孔雀の羽のごとく仕上げられており、超絶技巧という言葉がふさわしい見ごたえのある作品でとなっています。
刺繍糸は何本かの糸をより、刺繍糸にしていますが、よりをかける方向を違え、光の反射を利用し、羽の質感の違いを出すなど、隅々まで凝った技法を駆使した作品です!
明治26年のシカゴ博覧会という海外博覧会に出品するため、力の入った作品!
これだけで終わらないのが、「京都市京セラ美術館」
この展覧会では、他の展覧会では見られないレアな仕掛けもございます!!
絵画のみならず、工芸や書の分野まで網羅した総合展で、特に“書”の作品はなるべく京都の町に溶け込んだ作品を選んでいらっしゃいます。
その一点が、大正期に活躍した書家、山本竟山(やまもときょうざん)の作品!
京都国立博物館の近くにある豊国神社の鳥居横に建てられている5メートルの高さの社号標が代表作!
社号標自体を展覧会場に持ち寄るわけにはいかず、拓本家にお願いし、社号標の周りに足場を組み、この展覧会のために拓本をとりました!
4メートルを超える拓本は、光の広間という展覧会の入口に展示されています。
作品横には拓本をとった様子を映像で流れているとのことで、是非そちらもご覧ください!
京都市京セラ美術館で現在開催されている展覧会
『京都の美術 250年の夢」第1部~第3部 総集編 ~江戸から現代へ~ 後期』は
12月6日をもって終了となります、みなさんも是非おでかけください!!
◆「京都市京セラ美術館」はInstagramもあります!◆
5月からリニューアルオープンされた様子などは、
Instagramを確認してみてくださいね!Instagramは → こちら
※チケットやご予約の方法などは
「京都市京セラ美術館」の公式HPをご覧ください → こちら
より気軽に美術館にお越しいただけるよう入館方法が予約優先制となりますが、
定員に達していない時間帯は“予約なし”での当日観覧受付が可能です。
カフェ、ミュージアムショップ、
ザ・トライアングルなどの無料エリアは予約なしで入館・ご利用いただけます!
コロナ対策を万全にしてお出かけください。
「京都市京セラ美術館」ご予約専用電話番号:075-761-0239 まで!