Consumer Support
火曜日限定コーナー「コンシューマー・サポート」では、
「消費者問題」をキーワードに、
消費者問題の専門家や有識者をゲストにお迎えして、
被害の実態・問題点・救済方法をわかりやすくお届けしていきます。
第12回目のテーマは「リース被害」です。
スタジオには、弁護士の河野佑宜さんをお迎えしました。
Q.今日のテーマ「リース被害」について教えて下さい。どういった被害があるのでしょうか?
A.リース被害には,①不必要なものをリースさせられるリース被害,
例えば 電話機や防犯カメラなどのリース被害です。
他には,②ホームページ作成契約のように説明しながら,
実際はホームページ作成用ソフトがリースされていて,ホームページが作られなかったり,
途中解約できないといったホームページリース被害,
③何度もリース契約を締結させられる次々リース被害・
キャッシュバックリース被害と呼ばれるものがあります。
Q.リース契約は途中解約できないと言われましたが,
リース契約というのは、そもそもどういう契約なんでしょうか?
A.レンタルとの比較がわかりやすいので,レンタルとの比較で説明します。
リースもレンタルも,リース料・レンタル料といって毎月一定額のお金を支払います。
また,レンタルもリースも,
リースしている物・借りている物が自分の所有物になることはありません。
ここまではレンタルとリースは同じ仕組みになります。
違う点は,レンタルは借りる必要がなくなったら途中解約できます。
しかし,リースはリース期間が終わるまで途中解約ができません。
そのため,ホームページリース被害などは,もうホームページが不要になっても,
途中解約できずにリース期間はずっとリース料を支払わなければならないことになります。
Q.そういう契約条件の中,どうしてリースする人がいるんでしょうか?
被害ケースも含めて教えて下さい。
A.販売店が,リース契約の仕組みを利用して,消費者に対して虚偽説明をするからです。
例えば,電話機リース被害は,
「その電話機使えなくなりますよ」といったウソの勧誘があり,
それなら電話機を変えなければということで,
不必要なビジネスフォンを契約させられるケースがほとんどでした。
ホームページリース被害は,販売店が途中解約できないことを説明せずに,
ホームページを作るための契約だと消費者に思わせます。
消費者はホームページを作ってもらう対価と思いますので,
もうホームページを使わなくなったらリース料を支払わなくてもよいと思ってしまいますが,
実際はソフトがリース物件なので,途中解約できないことになります。
次々リース被害やキャッシュバックリース被害は,
販売店が「毎月のリース料が安くなります」という説明をして,
本当は総額が高くなるのにその点を隠して,とにかくリース契約を締結させようとします。
Q.なるほど。途中解約できないという説明をしないのは問題ですね。
実際に被害にあった場合、被害金額はどの程度なんでしょうか?
A.リース契約1件だけだと100万円から200万円が多いですが,
リース契約が何回も繰り返されていたり,何個もリース契約をさせられているケースだと,
1000万円以上というケースも珍しくありません。
Q.かなりの損害額ですね。
こうしたリース被害は、実際にどのような人が被害にあわれているんでしょうか?
A.中小企業や個人経営の事業者の方が多いです。
中には社会福祉法人や宗教法人の方も多くおられます。
いずれも,会社の経費を抑えたいと思われている方に,
「安くなります」といった甘い言葉で勧誘があります。
Q.そういう被害にあった方に対して、これまでどのような被害救済がなされていますか?
消費者にとって有利な裁判例などはあるんでしょうか?
A.電話機リース被害やホームページリース被害については,
これまで中小企業や個人経営の事業者の方でも,
クーリングオフを主張して,和解で全額返金を受けたりしているケースがあります。
また,事業者の方でもクーリングオフを認めた名古屋高裁の裁判例もあります。
Q.「リース被害」に関する被害に遭わないための対処法はありますか?
A.対処法としては、まず、絶対に必要ではない物についてリース契約をしないこと,
毎月のリース料がいくらになったとしても
総額でいくら支払うことになるのかをよく確認すること,
リース物件の性能などの説明があっても,その説明が本当なのか,
また自分にそういった物が必要なのかをよく考えていくことが大事だと思います。
Q.では、今回のような「リース被害」に関する被害にあったかもしれないと思った時は、
どうすればイイですか?
A.リース被害京都弁護団にご相談ください。
リース被害救済を専門とする弁護士が相談に乗ったり,依頼を受けたりする制度があります。
リース被害京都弁護団へのお問い合わせは、
中隆志法律事務所。電話 京都075-253-6960です。
また、京都弁護士会では,3月8日の金曜日に,京都弁護士会でリース被害110番を実施します。
相談料は無料です。リース被害110番の電話番号は,075-254-8776です。
「コンシューマー・サポート」。
このコーナーは,京都府から京都消費者力向上委員会が委託を受けてお届けしています。
京都消費者力向上委員会は,
・京都府生活協同組合連合会、
・京都生活協同組合、
・コンシューマーズ京都(京都消団連)、
・適格消費者団体 京都消費者契約ネットワーク
以上の団体で構成された「消費者の消費者力が向上する活動を行う」委員会です。
消費者被害にあった場合には,
京都府消費生活安全センターへご相談下さい。
また,適格消費者団体京都消費者契約ネットワークでも
差し止め請求のための情報提供を受け付けています。
詳しくは,各ホームページをご覧ください。