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レコメンKYOTO!新京極商店街の看板

Kyoto Weekly

2020.10.19

新京極商店街に設置された新型コロナウイルス対策を呼び掛けるユニークなつり下げ看板が、話題を集めています。
六角公園前に設置されたのは、マスクを着けた恋人たちが川べりに座るほのぼのとしたイラストで、「距離あける 京の人なら お手のもの」と一句添えられています。
鴨川の風物詩、等間隔で座るカップルを例に、ソーシャルディスタンスを呼び掛けているわけです。

商店街中央付近に掲げられたのは、「ぶぶ漬けを 待たずに帰る 京の人」というメッセージとお茶漬けの絵。
看板の左下には「用事が済んだらすみやかなご帰宅を」と記されています。
こちらは京都の「いけず」を語る際に必ずといっていいほど例えにあげられる「ぶぶ漬け伝説」からヒントを得たものです。

また、四条通りの入口近くには、舞妓さんが消毒液を持ち、「新型(いちげん)さん お断りどす 京の街」と書かれた看板が設置されています。

「ぶぶ漬け」や「いちげんさんお断り」など、京都のいわゆる「いけず」にスポットを当てたユーモアのある看板ですが、この「いけず」については これまでに様々な考察が為されています。
2009年に出版されたエッセイストの酒井順子さんが、ご自身の出身地である東京と、京都を比較したエッセイ『都と京』でも、京都の「いけず」についての考察がありました。

例えば、女性の京都弁「いやぁ、かなわんわぁ」について・・
これは「あなたにはかないません」という敗北宣言ではなく、東京言葉にすれば「それはいかがなものでしょうか」・・
端的に意訳すると「イヤです」「変なの」となるわけですが、酒井さんいわく、これを東京の女性が「それはいかがなものですかね」というと東京の男性はカチンとくるでしょうが、

京都の女性が「いやぁ、かなわんわぁ」と言われたら、例え否定をされたのだとしてもイヤな気はしないのではないか・・

かといって、この京都弁は、「自らの意思をよりマイルドに遠回しに伝える」だけの言葉ではなく、プラスの感情を伝える時には思っている以上にオーバーになることもあるわけで、いうならば京都弁は、意味の強弱を随意につけやすい言葉ということになるのではないか・・と書いています。

そのうえで、その京都弁というのは、「むき出しの心を他人に見せないための配慮でもある」ということで、これについて、例えば、心付けはポチ袋に入れ、贈答品は風呂敷に包むのが礼儀であるように、思っていることをそのまま相手に提示するのは失礼だという意識が、京都人の中にはあるのではないか、誰かに会う時は礼儀として化粧をするのと同じように、礼儀の一環として、自分の心をラッピングしているのだと思う・・と記しています。

酒井順子さんの「いけず考」実に面白いです。ご興味ある方は是非『都と京』、読んでみてください。

 

 

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