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レコメンKYOTO!立冬の新聞コラム

Kyoto Weekly

2019.11.18

新聞各紙のコラムを読むことを趣味にしています。二十四節気の立冬の11月8日は各紙が「立冬」にちなんだことを書いていて、ああ、新聞のコラムを読むだけでも季節の移ろいを感じられるのだなぁと思ったのです。
例えば「愛媛新聞」では「寒さが増し、日が短くなるのと対照的に、人のぬくもりや生命の輝きがいとおしく感じられる時季」(括弧内引用)として、小説家で俳人の久保田万太郎の名句を引用しています。「湯豆腐やいのちの果てのうすあかり」季節を感じて作られた句によって季節を感じることができるとはなんと幸せなことでしょう。「山陰中央新報」は収穫の時期を迎えたムカゴを詠んだ句です。
「ほろほろとむかご落ちけり秋の雨」「ほろほろとぬかごこぼるる垣根哉」上は小林一茶、下は正岡子規の句です。「漢字で「零余子」と書くムカゴは「ぬかご」とも言い、見た目は大豆サイズのミニ・ジャガイモ風。」(括弧内引用)同じ正岡子規でも「産経新聞」が取り上げたのはこちら。「唐辛子からに命をつなぎけり」韓国出身の評論家、呉善花さんが日本人と韓国人の違いをワサビと唐辛子にたとえた話を受けて子規の句が引用されています。「ワサビを食べた場合は、体内の血が心臓周辺に集まることにより、鎮静作用が生まれる。唐辛子を食べると、血の巡りがよくなり、血液は頭部に集まる。「興奮しやすい韓国人と、落ち着きすぎている日本人を象徴的に表している。」(括弧内引用)とのことですが、はてさて。その韓国では立冬の日を前後してキムチを作る「キムジャン」が行われると教えてくれたのは「下野新聞」です。「下野新聞」では「冬が巡る来るたびに口ずさむメロディー」(括弧内引用)として、松任谷由実さんの「ノーサイド」を紹介していました。今年は冬の訪れを待たずにノーサイドの精神が日本列島に感動を呼びました。「ルールさえ知らない競技の熱量が 楕円になって日本を包む」これは私の作。ほかにも「北海道新聞」は加藤楸邨が病床で詠んだ「木の葉ふりやまずいそぐなよいそぐなよ」を冒頭で取り上げ、「信濃毎日新聞」は長野市出身の気象キャスター、故倉嶋厚さんの著書「癒しの季節ノート」から、「11月の天気は木枯らし、時雨、小春日和に代表される。人生にも、この三つがあてはまる」を引用。「神戸新聞」は明治11年に日本を訪れた英国の旅行作家「イザベラ・バード」が、「炭火を入れた鉢を木の枠で囲い、布団をかぶせたこたつ」(括弧内引用)について書いた記述「布団のなかにそっと入り、布団をあごまで引っ張り上げたまま、暖かくて不精でだらしのない夕べをすごします」を紹介しています。「佐賀新聞」は記録的不漁となったサンマがようやく大漁となったと書いていました。ただ、昨日解禁日だったズワイガニの漁獲量も減る傾向にある、と書いていて、なんとも心配な限りです。
最後は「京都新聞」。以下、括弧内引用です。「枕草子は「冬はつとめて(早朝)」と、冷気に包まれて凛とした風情を描いた。俳句でも、「今朝の冬」は立冬を表す季語だそうだ。冷え込みに身をすくめつつ、冬の厳しさへの覚悟、備えを思う朝である。」「下野新聞」には韓国にはキムチジャンがあるいっぽうで、「日本では立冬由来の行事や食べ物は特になさそうだ。」(括弧内引用)と書かれていましたが、いえいえ、そのようなことはありません。この日の「京都新聞」夕刊には「千枚漬け」の漬け込みが最盛期を迎えたとありました。ここから京都は紅葉の盛りを迎え、それが過ぎればロームのイルミネーションがクリスマスムードを盛り上げ、やがて除夜の鐘の音を聴き、令和最初の大晦日を迎えるのです。

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