Consumer Support

20130205

火曜日限定コーナー「コンシューマー・サポート」では、
「消費者問題」をキーワードに、専門家や有識者をゲストにお迎えして、
被害の実態・問題点・救済方法をわかりやすくお届けしていきます。
第9回のテーマは「冠婚葬祭互助会の解約料~泣き寝入りがほとんど」です。

  
スタジオには、弁護士の「川村暢生」さんをお迎えしました!!
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Q.今日のテーマ。「冠婚葬祭互助会の解約料」
そもそも、「冠婚葬祭互助会」、あるいは、単に「互助会」とはどういうものでしょうか。

  
A.お葬式や結婚式を執り行う業者のうち、
前もって毎月数千円くらいの金額を会員に積立金として払い込ませておいて、
会員らが将来お葬式や結婚式を行う際の費用の全部や
一部に充てるというシステムを用いている会社のことです。
営業するためには、経済産業大臣の許可が必要です。

   
もともとは、戦後まもなく国民皆が貧しかった時代に、
結婚式の衣装やお葬式の祭壇・斎場などを、みんなで少しずつお金を出し合って購入し、
共同で利用することで相互に助け合おう、
そのような理念のもとでうまれたのが「互助会」だといわれています。

Q.その「互助会」は、全国にたくさんあるのですか?

A.昨年2012年の3月時点で、全国に292社あります。
テレビのコマーシャルで宣伝しているような大きなところから、地元密着の小さな所まであります。

   
1人で何口も加入している人もいますが、業界全体では2300万口以上あるそうですから、
平均すると、日本人のおよそ5人に1人が加入している計算になります。
そして、これらの加入者が積み立てた金額は、業界全体で2兆3000億円以上になります。

Q.かなりの金額が集まっているんですね。
 その「互助会」で、消費者トラブルが起こっているんですね。

  
A.もちろん、満足している消費者も多いとは思いますが、
国民生活センターによると、「互助会」に関する苦情や相談の件数は、
2002年度から2011年度まで10年間で およそ3割増加して、3767件にのぼるそうです。

   
トラブルの内容としては、
①消費者としては、払い込んだお金、満期で30万円とか50万円という金額ですが、
  このお金でお葬式をまかなえると思っていたのに、
  それでは足りずに追加で請求されることになった金額が高すぎるという苦情や、

②さまざまな事情から、途中で解約しようとしたのに、解約金が高すぎる、
  といったトラブルがあります。

Q.ということは、今回のテーマにある「解約金は ほとんどが泣き寝入り」ですが…
②のケース「解約金」をめぐるトラブルについて、さらに詳しく教えてください。

A.解約金の金額について具体的に申しますと、
これは、業界団体の社団法人全日本冠婚葬祭互助協会のモデル約款による例ですが、
毎月2500円ずつ200回払い込むコースの場合、払い込みが9回目までは全額返ってきません。
10回、合計2万5000円を払い込んだときは、解約金として2万4650円引かれて350円しか返ってきません。
11回目以上の場合には、払い込み回数が1回増えるごとに、差し引かれる金額が250円増えます。
従って、20回、合計5万円を払い込んだときには、
解約金として2万7150円差し引かれて、2万2850円しか返ってきません。
つまり払込金の50%以上が解約金になってしまいます。

満期の200回、合計50万円を払い込んだときが、解約金の割合が一番小さいのですが、
この場合でも、7万2150円が解約金になり、42万7850円しか返ってきませんので、
払込金の14%以上が解約金として取られてしまう計算になります。
ただし、高額とはいっても、弁護士に依頼するほどの金額ではないとして、
これまでは、泣き寝入りせざるを得なかったケースがほとんどでした。

Q.式を行わずに解約をしようとした消費者から見れば、
解約金が高すぎるようにも思えるのですが、何とかならないのでしょうか?

A.消費者契約法という法律では、
事業者は、平均的な損害額を超える解約金を取ってはいけないとされています。
従って、解約金の金額が「互助会」の会員規約で決められていた場合でも、
解約金が「平均的な損害額」を超えているとされれば、
その部分は会員規約が無効となりますので、消費者は取り返すことができます。

Q.いまご紹介いただいた「互助会」の解約金に関して、
消費者に有利な裁判例などはあるのでしょうか?

  
A.はい。先ほど述べた社団法人全日本冠婚葬祭互助協会に加盟する、
ある有名な「互助会」の会員規約に関するものですが、
つい最近、今年の1月25日に、大阪高等裁判所で、払い込み1回につき60円、
契約1年ごとに14.27円を超える解約金を取るような契約を
してはならないという判決がくだされました。

社団法人全日本冠婚葬祭互助協会に加盟する全国の互助会は、
ほとんどが同じ内容の会員規約を使用していますので、
今回の判決は、全国的に大きな影響を与えるものです。

Q.それでは、この判決が出たことで、
消費者は取られすぎた解約金を「互助会」から取り返すことができるのですか?

A.必ずしも、そういうわけではありません。3点ほど注意が必要です。
 まず、契約の時期の問題があります。
先ほど述べた消費者契約法という法律は、
2001年、平成13年4月1日から適用されたものですので、
この日よりも前に「互助会」に入会した契約には適用されません。

次に、この大阪高等裁判所の判決に対して、
この「互助会」が最高裁判所に上告するかもしれません。
上告した場合には、大阪高等裁判所の判決が妥当なものかどうかが、
あらためて最高裁判所で判断されます。

  
最後に、今回の判決は、この「互助会」に対して、
これから会員を募集する時に高額の解約金を取るような契約をしてはならない、という判決です。
この「互助会」が自主的に姿勢を改めて、これまでの契約についても、
今回の判決の内容と同じように取り扱うことにしてくれるならばいいですが、
そうでない場合には、解約をした消費者は裁判をするなどしなければ、
取られすぎた解約金を「互助会」から取り返すことができません。

Q.では、今まさに「互助会」の解約金について悩んでいる方は、どこに相談にいけばいいですか。

A.解約金の対策弁護団がありますので、お気軽にご相談下さい。
「互助会」の解約金の被害救済に詳しい弁護士が相談に乗ったり、
依頼を受けたりする制度があります。
弁護団へのお問い合わせは、御池総合法律事務所。
電話 京都075-222-0011です。
また、京都府消費生活安全センターや各地の消費者センターへの相談も有用です。

「コンシューマー・サポート」。このコーナーは,
京都消費者力向上委員会が京都府から委託を受けてお届けしています。

京都消費者力向上委員会は,
・京都府生活協同組合連合会、
・京都生活協同組合、
・コンシューマーズ京都(京都消団連)、
・適格消費者団体 京都消費者契約ネットワーク
以上の団体で構成された「消費者の消費者力が向上する活動を行う」委員会です。
消費者被害にあった場合には,京都府消費生活安全センターへご相談下さい。
また,適格消費者団体京都消費者契約ネットワークでも
差し止め請求のための情報提供を受け付けています。

詳しくは,各ホームページをご覧ください。

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